鯛蕪(たいかぶら)


tai_kabura_00.jpg

今回は初めから心に決めていたのだ。
「錦で鯛のアラと聖護院蕪を買って帰って鯛蕪を炊こう!」と。
「鯛蕪」とは、要するに「鯛のアラと蕪の炊いたん」ですな。
家庭料理でもあるし、料理屋の料理でもあるとゆー。

料理屋で食ったのは2回。
1回目は京都の古典的な板前割烹。
何回か通って、大将に顔を覚えてもろたところで、
「鯛蕪食べたいんやけど」というと、
「それは前の日にゆぅといてもらわんとできまへん」と言われた。
へ?鯛蕪って鯛のアラの出汁で蕪炊くだけちゃうのん?
と思ったのだが、後日、予め頼んどいて出てきた鯛蕪は、僕が今まで
鯛蕪だと思って食っていた自作のモノとは全然違うものだったのである。
何が違うって、とにかく蕪の柔らかさが全然違う。
見た目は角がピシッ!としていて、硬質な感じなのだが、箸がすっと入って
口の中でとろぉ~んとほぐれる。んでもって、鯛のお出汁がじゅわぁ~っと・・・
ああっ!これが鯛蕪やったんやなぁと感激もひとしお。
それから、2回目は大阪の割烹。
原則おまかせだけの店やけど、もう馴染みやから作ってくれるかなぁと、
女将さんを通じてお願いしておいたのだが、作ってくれはりました。
「新年早々、朝から炊きましたわ」と言われてちょと恐縮。
で、その鯛蕪はこれまた絶品で、やはり、面取りした蕪の角はピシッ!と
しているんやけど、箸がすっ!と入って、口の中でとろけて・・・~ああっ!!
こっちは「残った出汁で雑炊しましょか?」と言うので、作ってもろたら、
これがまた美味い。

と、まぁ、そんなこんなで、あんなんを家でも食いたいのが原動力なので、
今度自分で作るときには、蕪は柔らかく柔らかく炊きたいと思ったのだった。
どうしてそれを実現するか?柔らかく炊くだけやったら、簡単なことや。
今は良い料理本がある。

『100の素材と日本料理』(柴田書店)によれば、要するに、鯛のアラの
出汁で蕪を柔らかく炊いて、一旦冷ますのが最大のポイントのようだ。
鯛蕪の汁は飽くまでも薄味で、蕪の外からの濃い味で食う料理ではないので、
冷ますことで中に味を染み込ませるのだな。
上掲書の作例では、予め蕪を柔らかく炊いてから鯛と合わせていたのだが、
僕は鯛の出汁の中で柔らかく炊く方法をとった。なんとなく。


1. 鯛のアラに塩をする。

tai_kabura_01.jpg

せめて鯛のアラは天然ものしか買うまいと誓って幾星霜。
これは錦で買って帰った天然もの。
因みに左のパック内のんは焼いて食う用に取っておく。
だって、焼いて食う身ぃも美味いんだから、食いたいじゃないか!
適当な時間を経たら熱湯で霜降りをして、水で血とぬめりと鱗を
徹底的に洗ったつもりが、鱗の残存を妻に指摘されてしまった・・・

2.聖護院蕪は表皮下の網目状部分まできっちり皮を剥いて、
適当な大きさに切って、さっと下茹でする。蕪って結構におうしな。
風味も持ち味も大事だが、やっぱ、汁が蕪臭くなりすぎたらあかんな。
何事もバランスでやからね。

因みに、厚く剥いた皮は、網目繊維に直角に刻んで、
適量の塩をまぶして刻んだ昆布と一緒に卓上漬物器にでも
放り込んで漬物にする。美味いから。
美味く食えるモンをほかすのはあほや。始末の心が重要である。

3.出汁昆布を鍋の底に敷いて、蕪と鯛のアラを並べ入れ、
酒と水をひたひたに。

tai_kabura_02.jpg

火にかけて、沸いてきたら昆布を出して、アクを取り続け、

tai_kabura_03.jpg

適宜の所で落としぶたをして蕪が柔らかくなるまで炊く。

tai_kabura_04.jpg

ここでは30分ほど。火加減慎重。
蕪が柔らかくなったら、塩と淡口醤油と味醂で加減をする。
最初に味を付けないのは、蕪が柔らかくなりにくそうなのと、
それから、水分が蒸発するので味加減が変わってくるから。
因みに、この料理は鯛の出汁で蕪を食う料理であって、鯛の身を
美味く食う料理ではなかろうと思うので、鯛に対する火の通しすぎ
ということは考えないでいいだろうと思う。
で、火を止めて冷ます。このとき、蕪が汁から出てたらあかん。
その部分が乾いて縮んで不細工になる。

tai_kabura_05.jpg

4. 仕上げに、土鍋に鯛のアラと蕪を並べる。
蕪は柔らかくなっているので崩さないように。
じわじわ温度を上げていって、蕪の芯まできっちり熱くしたら、
味をみて、最後にわぁっ!と沸かして完成。
教科書的には黄色い柚の皮の刻んだのをトッピングするようだが、
まぁ、買うまでもないでしょう。
で、出来たのが冒頭の写真の一品ですが、
いつも鍋物の写真は全然美味そうに撮れないのに、
なんだか美味そうに見える。ちょっと嬉しい。

実際、相変わらずの手前味噌ですが、美味く柔らかく炊けてました。
若干、味加減が醤油勝ちになったのが無念でしたが・・・
しかし、これが精一杯の出来。
もっと上手に作りたいけど、なかなか作る機会がない。
だから上達もしない。(どなたかアドバイスを下さい。)

最後に雑炊。

tai_kabura_00_01.jpg

雑炊をするときは、出し汁を漉してから作るべきである。
骨や鱗のかけらが飯に混入したら不愉快やからね。


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