トマトの透明なジュレの試作
赤くないけどトマトのジュレなんです。

事は数年前、銀座のフレンチで食べたトマトのゼリーが
とても印象深かったことに起因する。
トマトというと、すぐに赤い色を連想するのが常だと
思うが、そのトマトゼリーは赤くはない。やや黄色と
いうか、薄い琥珀色がかった透明なゼリーだった。
でも味はしっかりトマトであって、その見た目と味の
ギャップも面白く、トマトが好きな僕は忽ち虜になった。
もっと食べたい、たくさん食べたい、丼鉢で食べたいと、
すっとそう思っていたのだ。(まぁ、その後同店で食べた
トマトのパフェは、かなり丼鉢的な分量だったので満足
のいくものだったが。)
メートルからは一応料理の説明を聞いていて、なんでも
潰したトマトを静かにそのまま濾過して、自然に滴下した
透明なエキスだけを集めてゼリーにするとのことだった。
その話を聞いていたから、何となく試してみたい気には
なっていたが、その時はそのままになってしまっていた。
それが一昨年、『専門料理』の2005年6月号に、なんと
レシピが公開されているのを発見し、「やった!これで
いつでも試せる!!」と思ってから、気がつけば2年も
経っていたのだった。いつでも出来るから却って、ね。
それを急に試す気になったのは、今年の初夏だったか、
『dancyu』の記事でトマトの透明なスープが紹介されて
いるのを見て、これはもう、汝政、トマトのゼリーを作れ
との天啓にやあらむとて、ケツをぶっ飛ばされた気になっ
たからである。
というわけで、トマトの透明なジュレの試作であります。

先ず、トマトをミキサーにかけて、それを漉して透明な
トマトのエキスを抽出する。問題はどのように濾過するか?
ということである。今は夏だ。しかも猛暑である。
自然滴下を待つ間は冷蔵庫に入れねばならない。となると
我が家の冷蔵庫はキャパが小さいので、鍋やボールとザルを
組み合わせたのでは大きすぎて入らない。さぁ、困った。
ぼんやり台所を見回すと・・・
あった!!!!!

上のように2リットルのペットボトルを途中で切断し、
口の部分をひっくり返してつっこんで、ガーゼをセット。
そこへトマトのピュレを流して、

ラップで蓋をして、冷蔵庫に一晩たてればOK!
それに、この方法なら「金気」の問題も発生しない。
一晩経って採れたエキスには、ちょっと赤い果肉の色素が
混じっていた。

これを漉し取るために、更に目の細かい晒しで漉すという二度
手間をやらかしてしまったのだが、『専門料理』の記事を読み
返すと・・・あぁ~その点に関する記載があったよ。やれやれ・・・
5個(約800g)のトマトから採れたエキスは500cc弱。

味見をするとちょっと薄い。水っぽい。
こればっかりは、スタートラインのトマトの問題なのだが、
出来てしまったものは仕方がない。
それでも、これではちょっと薄すぎるので、救済策を考えた。
「濃縮」しようと。
薄いエキスを濃縮するには水分だけを排除すればいい。
その方法としては、ひとつに加熱して煮詰めるという方法が
あるが、今回のトマトエキスはフレッシュであることが重要
なので、加熱することは出来ない。
では、加熱しないで水分だけを排除する方法はないのかと
いうことになるが、簡単なことで「アイスワイン」の技法を
用いればいいだけのことである。
要するに・・・

ちょっと凍らせると氷の結晶が出来るので、これを漉せば

取り除いた氷の分だけ水分が排除できる。
これを何度か繰り返せばいいのである。
網で漉す方法では減耗分が激しいので、2回目からはガーゼで
漉して、最後にガーゼをギュッ!と絞って、

なるべく減耗を抑える方策に出た。
これを5回、あれ?6回??
なんしか数回繰り返して得られた濃縮エキスは、「美味い!」と
言えるレベルにまでトマトの味と酸味が濃くなっていたが、
最終的に得られた分量は140ccにまで減っていたのだった・・・

あとは、これをどのような調味で料理にするかだが、
デザートにするにはちょっと量が少なすぎるので、
塩味をしてジュレにして、メークインのピューレと
合わせてみた。
適当に塩加減をして、大さじ2杯のお湯にとかしたゼラチン3gを
混ぜて、

氷水にあててジュレとする。
一方、小さめのメークインを

柔らかく茹でて裏ごしし、

生クリームと牛乳でのばして塩加減。
器に入れたらトマトのジュレをトッピングして完成。

(ガラス器:艸田正樹)
試食。

美味いが、まだまだですな。このレベルでは満足できない。
妻も同意見。
メークインと合うかどうかも疑問だし、両者をつなぐものも欲しい。
まぁ、また作ればいいのさ。ノウハウは徐々に蓄積される。
目指せ!!!!丼鉢いっぱいのトマトゼリーを食うために!!!
時間はかかるけど簡単なので皆さんも試してみてください。

事は数年前、銀座のフレンチで食べたトマトのゼリーが
とても印象深かったことに起因する。
トマトというと、すぐに赤い色を連想するのが常だと
思うが、そのトマトゼリーは赤くはない。やや黄色と
いうか、薄い琥珀色がかった透明なゼリーだった。
でも味はしっかりトマトであって、その見た目と味の
ギャップも面白く、トマトが好きな僕は忽ち虜になった。
もっと食べたい、たくさん食べたい、丼鉢で食べたいと、
すっとそう思っていたのだ。(まぁ、その後同店で食べた
トマトのパフェは、かなり丼鉢的な分量だったので満足
のいくものだったが。)
メートルからは一応料理の説明を聞いていて、なんでも
潰したトマトを静かにそのまま濾過して、自然に滴下した
透明なエキスだけを集めてゼリーにするとのことだった。
その話を聞いていたから、何となく試してみたい気には
なっていたが、その時はそのままになってしまっていた。
それが一昨年、『専門料理』の2005年6月号に、なんと
レシピが公開されているのを発見し、「やった!これで
いつでも試せる!!」と思ってから、気がつけば2年も
経っていたのだった。いつでも出来るから却って、ね。
それを急に試す気になったのは、今年の初夏だったか、
『dancyu』の記事でトマトの透明なスープが紹介されて
いるのを見て、これはもう、汝政、トマトのゼリーを作れ
との天啓にやあらむとて、ケツをぶっ飛ばされた気になっ
たからである。
というわけで、トマトの透明なジュレの試作であります。

先ず、トマトをミキサーにかけて、それを漉して透明な
トマトのエキスを抽出する。問題はどのように濾過するか?
ということである。今は夏だ。しかも猛暑である。
自然滴下を待つ間は冷蔵庫に入れねばならない。となると
我が家の冷蔵庫はキャパが小さいので、鍋やボールとザルを
組み合わせたのでは大きすぎて入らない。さぁ、困った。
ぼんやり台所を見回すと・・・
あった!!!!!

上のように2リットルのペットボトルを途中で切断し、
口の部分をひっくり返してつっこんで、ガーゼをセット。
そこへトマトのピュレを流して、

ラップで蓋をして、冷蔵庫に一晩たてればOK!
それに、この方法なら「金気」の問題も発生しない。
一晩経って採れたエキスには、ちょっと赤い果肉の色素が
混じっていた。

これを漉し取るために、更に目の細かい晒しで漉すという二度
手間をやらかしてしまったのだが、『専門料理』の記事を読み
返すと・・・あぁ~その点に関する記載があったよ。やれやれ・・・
5個(約800g)のトマトから採れたエキスは500cc弱。

味見をするとちょっと薄い。水っぽい。
こればっかりは、スタートラインのトマトの問題なのだが、
出来てしまったものは仕方がない。
それでも、これではちょっと薄すぎるので、救済策を考えた。
「濃縮」しようと。
薄いエキスを濃縮するには水分だけを排除すればいい。
その方法としては、ひとつに加熱して煮詰めるという方法が
あるが、今回のトマトエキスはフレッシュであることが重要
なので、加熱することは出来ない。
では、加熱しないで水分だけを排除する方法はないのかと
いうことになるが、簡単なことで「アイスワイン」の技法を
用いればいいだけのことである。
要するに・・・

ちょっと凍らせると氷の結晶が出来るので、これを漉せば

取り除いた氷の分だけ水分が排除できる。
これを何度か繰り返せばいいのである。
網で漉す方法では減耗分が激しいので、2回目からはガーゼで
漉して、最後にガーゼをギュッ!と絞って、

なるべく減耗を抑える方策に出た。
これを5回、あれ?6回??
なんしか数回繰り返して得られた濃縮エキスは、「美味い!」と
言えるレベルにまでトマトの味と酸味が濃くなっていたが、
最終的に得られた分量は140ccにまで減っていたのだった・・・

あとは、これをどのような調味で料理にするかだが、
デザートにするにはちょっと量が少なすぎるので、
塩味をしてジュレにして、メークインのピューレと
合わせてみた。
適当に塩加減をして、大さじ2杯のお湯にとかしたゼラチン3gを
混ぜて、

氷水にあててジュレとする。
一方、小さめのメークインを

柔らかく茹でて裏ごしし、

生クリームと牛乳でのばして塩加減。
器に入れたらトマトのジュレをトッピングして完成。

(ガラス器:艸田正樹)
試食。

美味いが、まだまだですな。このレベルでは満足できない。
妻も同意見。
メークインと合うかどうかも疑問だし、両者をつなぐものも欲しい。
まぁ、また作ればいいのさ。ノウハウは徐々に蓄積される。
目指せ!!!!丼鉢いっぱいのトマトゼリーを食うために!!!
時間はかかるけど簡単なので皆さんも試してみてください。
- 関連記事
スポンサーサイト