「ごそ」の自家製干物 (天日干しについて思うこと)

こいつが「ごそ」である。 

goso_01.jpg

駿河湾の深海魚。深海トロールの漁期だけ食える魚。
いかにも深海魚らしい顔つきをしている。

「ごそ」は駿河湾での地方名であり、標準和名は「はしきんめ」。

沼津港辺りで地魚の天丼を食べると、
以前紹介した「でんでん」や今回の「ごそ」が入ることがある。

こいつを買った食遊市場の魚屋では「赤ごそ」とされていた。
「ごそ」の中にも区別があるらしく、こいつの他に
「あぶらごそ」(標準和名は「ヒウチダイ」)というのもいる
らしく、あぶらの方が希少で高価らしい。

さて、この「赤ごそ」。
緻密で細かい鱗が体表を覆い、紙ヤスリのようであるが、

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身は綺麗な白身である。

今回は干物で食おう!ということで、
適当な濃度の塩水に1時間ほど浸けて、
一晩ベランダで干そうと思っていたら雨が・・・

仕方がないので脱水シートで包んで干物とする。

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干物は水分を飛ばして味わいを凝縮させると同時に保存性を
高める技法なのであるから、脱水シートでも同様の効果が
得られる筈なのである。

ところで、干物といえば我々消費者には「天日干し信仰」
とでも呼びうるものがあるように思われるのだが、どうか?
果たして本当に「天日干し」は優れているのだろうか?
「機械干し」より美味いのか?

『伝統食品の知恵』(藤井建夫 監修 柴田書店)によると、
必ずしもそうとは言えないようである。
同書によると、天日干しは、蝿などの虫の問題の他に、
自然任せで品質が安定しないという欠点を指摘する。
そして、「天日干し」に対置される「機械干し」でも、
今は魚種により最適な温度に調節した風を送って乾燥
させることが可能であり、昔の機械乾燥とは別物である
旨の記載がある。
ネットをさらっと見てみると、現在の機械乾燥の秀逸性を
述べる記述も散見させるが、消費者、販売者(製造直売者を
含む)サイドからは、やはり天日干しがよいという声が
圧倒的に多いようだ。
だが、その理由には、しばしば神秘主義的色彩を帯びた
ものもある。

やはり商品イメージの問題であろうか?

なるほど「機械で干した」というよりも「お日様の光で
自然に干しました」と言う方が好印象である。
そして商品イメージというものは、しばしば当該商品の
内容、品質、実力に関して真実以上の幻想を与えることが
あるだろう。

しかし、「天日干し」が好印象を与えるとは限らない。
「天日干し」というからには、蝿もたかろうし、埃も
積もろう。
僕は自動車のびゅんびゅう通る幹線道路沿いに並べて
干してある干物は食いたくないのだが・・・
まぁ、そういう空気でも平然と呼吸して生活している
のだし、食べて害になるものではあるまいが、
「イメージ的に」食いたくないのである。

重要なのは「天日干し」か「機械干し」ではなく、
当該干物が「美味い」か「不味い」かであろう。
それは「手作り」だからといって美味いとは限らない
のと同じことである。
干物ならば、衛生的で、脂焼け等の劣化が無く、
美味いことが重要だ。

ま、正真正銘の天日干しが食いたければ、
自分で作れば確かである。

家で作る天日干しは市販品よりも美味いことがある。
それは「天日干し」だからということよりも、
干物にするには勿体ないような魚を使って、
丁寧に扱い、加工するからだろう。
しかも出来たてが食える。干物だって劣化するのだ。

他方、業者の干物で美味いのは、それは家庭では
出せない味の美味さだろう。
沼津の専門業者には、代々継ぎ足して使っている
塩汁というものがあり、それが店の味を決めている
そうである。
当然、そんな味の干物は家では作れない。
これは天日干し/機械干し以前の問題である。

さて、話を元に戻す。
今回の「ごその自家製干物」は脱水シートと冷蔵庫による・・・
えと、機械干しですかね?
それとも「改良型文化干し」とでも呼びますかね?
まぁ、呼称はどうでもいい。

今回、「リード」の脱水シート(商品名「おいしくなる
シート」)を初めて使用したが、これは使える。

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今まで脱水シートといえば「ピチット」だったが、
あれってこの辺では全然売ってないのだ。
欲しいときにぱっと買えなきゃ意味がないでしょ!

例の魚焼システムで焼いてます。

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こんがり焼けました。
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ピラニアみたいな面構えに似合わず、

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あっさり味のほっこりした身質で、癖もなく美味い。

goso_06.jpg

決して安い魚ではないのには理由があるということだ。

「鯛の中の鯛」ならぬ「ゴソの中のゴソ」

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ちょっとカワイイのとちゃう?

因みに「アブラゴソ」の方は脂が乗ってもっと美味いそうな。
そっちもいっぺん食ってみたい。
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