豚足の Fromage de tete 風の焼いたん ラヴィコットソース添え

こういうのを作って食った。

fromagedepie_00.jpg

"Fromage de tete" というのは、簡単に言えば、
豚の頭の皮と頭の肉をトロトロに煮込み、それを
テリーヌ型等で固めたフランス料理の一品である。
"fromage"はチーズを表すフランス語の単語だが、
この料理のように型で固めた料理を表すことも
あるそうである。
そういえば、『第一ハム』にも、角切りのハムを
ゼリーで寄せた「フロマージュ」という製品がある。

と、エラソーに言っても、この料理を食べた
ことは3回しかない。
先ずは東京銀座8丁目のフレンチ。
次は、かつて小田原の早川港にあり、先年、東京へ
移転したフレンチ。そして、当地のビストロ。

そのなかで印象深かったのは銀座の皿であった。
早川港と当地のビストロでは冷製として出てきたが、
銀座のは表面を焼いた温かい皿として出てきた。
シャンパーニュとの相性が非常に良く、
もう一度食べたいと妻も僕も思っていた。
年に何度かそのフレンチを夫婦で訪れるのだが、
タイミングが悪いのか、ずっと再会できずにいる。

そんなある時、柴田書店から『モツ・キュイジーヌ』
というフレンチの内臓料理を集めた料理書が出版された。
この「フロマージュ・ド・テット」が収録されており、
しかもこの料理を担当しているのは、あの銀座のシェフの
お弟子さんだった気鋭の料理人である。

  やた!これで家で作れる!!!

と、思ったら大間違い。

だいたい、「豚の頭」なんていうのは特殊な材料で、
沖縄なんかじゃ普通に売ってるのかもしれないが、
当地でどうやって入手したらいいのかわからない。
まぁ、肉屋に問い合わせたらいいだけのことだが、
販売単位のこともあるし、どんな形状で売ってくれる
のかもわからないし、どうせなら作りたいときにパッと、
軽いノリでさらぁ~ととりあえずは試してみたいだけなのに、
前提条件を色々誂えねばならないというのは精神的障壁が
大きい。だから試せそうにもないなぁ~と思っていた。

ただ・・・
ただ、「豚の頭」は手に入らなくとも、豚足や豚タンや
豚の耳なら売っているので、それらを使えば似たような
ものは作れるに違いないとは思っていた。
だって同じゼラチン質やろ。豚足だって固まるやん!
とアイデアを胸に秘め、作りたい気持ちが発酵熟成して
ガス爆発するのを待っていたところ、
先日、沼津の牛山で豚タンと豚足と豚耳を見てボン!!
「よっしゃ!!やったる!!!!!!」
ということになったのだった。

というわけで、"fromage de tete" ならぬ 
"Fromage de pie" の焼いたんの作り方。

今回は長いので、この先をご覧になる方は続きをどうぞ・・・
参考図書は、先も述べた『モツ・キュイジーヌ』(柴田書店)。
今回は文字通り「参考」なのであって、分量等は僕の勘です。

主材料:豚足2本、豚耳2枚。コーンド豚タンの先っぽ適当。
豚タンは別途「コーンド豚タン」にしてあったのを、一部
こちらへ流用。

副材料:香草類(セロリ、人参、タマネギ、ローリエ、粒胡椒)

調味材料:塩、胡椒、エシャロット

豚足、豚耳は解凍して(冷凍だったので)、水洗いして、
一度下茹でして水洗いする。

fromagedepie_01.jpg

豚足、豚耳に残っている毛を全て毛抜きで抜く。
豚足の毛は、一応処理されて売ってあったのだが、
指の間に残っていた。ちょっと「ドキッ!」とした。
なんか、めっちゃリアリティーがある。

水に香草類を入れて、ゆるゆる炊く。

fromagedepie_02.jpg

豚足がトロトロになるまで3時間~。
湯を適宜補うこと。

終盤、「コーンド豚タン」を加えて、温度条件を揃える。
勿論、生の豚タンを使うなら、豚足・豚耳と同じ扱いで
いいと思われる。

茹であがったら、ボールにとってあら熱を冷まし、
豚足の骨、爪等、固くて食えない部分を取り除く。

fromagedepie_03.jpg

尚、煮汁は使用しないが、コラーゲンたっぷりの
豚足スープである。
香草類をこし取って、別の料理に使える。

全て適当に刻んで、みじん切りのエシャロットを
混ぜて、塩と胡椒で調味する。

fromagedepie_04.jpg

こういう調味後それなりの時間を経て食べる料理の
味加減というのは難しいもので、
調味直後は具材表面に存する塩味で濃いと思っても、
後で食べると塩が全体に回って物足りなく思うことも
よくある。
大体、具材の重量に対して1%~2%の塩を使えば
いい感じになると思うのだが、
最終的には、出来上がりの味を想像しつつ試食して
決定するしかないだろう。

型に入れて固める。

fromagedepie_05.jpg

ここでは深型バットS号にラップフィルムをひいて使用。
丁度いっぱいの最適分量であった。
空気が入らないようにぎっちり詰め込むこと。
同じ大きさのバットを重ねて、

fromagedepie_06.jpg

重しの代わりに輪ゴムで止めて冷蔵庫で1日。
しっかり、完全に固める。

fromagedepie_07.jpg

完全に固まったら、1cmの厚さに切って、

fromagedepie_08.jpg

小麦粉をはたいて
オリーブオイルで表面をカリッと焼く。
皿に盛りつける

ガルニ(付け合わせ)
今回はグリーンサラダ。
ヴィネグレット・ソース(ドレッシング)を作る。
今回はヘーゼルナッツ・オイルとシェリーヴィネガーを使用。

xeres_hazel.jpg

買ったら使え。
惜しげもなく使え。
劣化する前に使え。

作り方はありきたりなので省略。

ヴィネグレット・ソースで和えたサラダ菜を添える。

ラビコット・ソースを添える。

ラビコット・ソースの正統派の作り方はちゃんと
存在するのだろうが、冷蔵庫をあさってもピクルスも
パセリも出てこなかったので、
しゃぁ~ないからゆで卵とエシャロットだけで・・・
ゆで卵とエシャロットをみじん切りにして、
ヴィネグレット・ソースに混ぜる。

試食。

fromagedepie_00_2.jpg

美味!!確かにこんな感じやった!!

初めて作ったにしては大成功と自画自賛。
身内びいきの妻。
まことにオメデタイ関西人夫婦である。

美味かったからおかわりで焼いたTAKE2

fromagedepie_00_3.jpg

焼き方のコツは、油を薄く薄くひいて焼くことのようだ。

懸念された「バラバラ事件」は発生しなかった。
固形物だけをぎゅうぎゅうに詰めて重しをして密着させて
固めたからに違いない。
因みに、
冷たいまま食べたらちょっとブリンブリンしてて固い。
このことから類推すると、冷製として食べる場合には、
冷製用の固さになるように調節しなければならないと
思われる。
今回のように焼いて食べるなら、ブリブリに固めても
加熱すれば軟化するので悩みはない。
ということは、冷製の方が難しいと思われる。

さて、夫婦でおかわりしてもまだ残ってるのだが、
これを食べながら僕は大阪のビストロで食べたある料理を
思い出していた。

「これ使ったらできそうやな・・・」

試したら載せます。


と、言うわけで、

『豚足の"Fromage de tete"風の焼いたん
  ラヴィコットソース添え』

興味を持たれた方はお試し下さい。

こういう料理を、家庭でもどんどん作りましょう。
家庭料理の世界が楽しくなります。

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はじめまして!
すごい!!!これしか言葉がみつかりません。潮汁を検索したらここに辿り着きましたが、女子の料理じゃない勢いが感じられるお料理ばかりです。また、お勉強させてくださいね
更新楽しみにしています

きのううさぴょん

きのううさぴょんが、肉屋に料理した。

>myuu様
はじめまして。コメント有り難うございます。
過分のお褒めを戴き、嬉しいです。
「潮汁」の写真はちょっと差し替えたいと
思っているのです。ちょっとキモイかも。
僕としては、作りたいものを普通に作っている
だけなのですが、やはり「主夫の家庭料理」は
所謂「男の料理」なのでしょうか?
ま、それも個性であります。
これからもよろしくお願いします。

>うさぴょん殿
あんさんが言うとシュールですな。

政殿

いつも政殿の熱意に敬服しながら拝読しております。

銀座8丁目のレストランとはマノワール・ダスティンですか?

行ってみたいので教えて下さい。

こういうのを焼いたものは食べたことありませんが、豚好きのわたくしにはたまらない一品・・・

なんとかもっと簡単にこのてのものを作ってみたいとたくらんでおります。

>Mizo殿

僕の原動力は美味いもんへの情熱であります。
「家でも美味いもんを食いたい!!!!」

さて、お察しの通り、件のレストランはマノワール・ダスティンであります。
我々夫婦の定番で、メートルドテルのサーヴィスにもプロを感じます。
いつもアラカルトで食いたいもんを注文します。
個人的には、あそこはアラカルトに真価があると思うてます。

馴染んでしまって、東京では新規開拓が出来ないのであります。


>すまいる様

是非是非たくらみを実現させて、貴blogで発表してください。

作ってみて思ったんですが、豚耳だけでも結構固まるんじゃないかと。
そしたら骨の掃除をしなくて済む分、手間は減ります。
でも、豚足の分厚い皮のプリッ、シコッ、トロっ感は得られませぬ。
プロフィール

政

Author:政
アラフィフ主夫

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