あわび・アワビ・鮑のステーキ(屁理屈編)

「家で食うもんが美味いのが幸せ」がモットーの『割烹 政』。
妻の強力なリクエストにより「鮑のステーキ」を焼いた。

沼津港の業者から仕入れてきた鮑は

awabi_steak_02.jpg

殻の長径が16cm、重さは600gの赤いやつ。

こんなん外で料理したん食べたらなんぼとられるのか
考えただけでびびるが、買えばあんまり高くはない。
高くはないけど安くもない。たまのご馳走に出せる値段。
もちろん、どこで買うかは重要だが、観察と直感で探す。

さて、鮑を料理するときには、精神がちょっとハイになる。
先ず、値段の高さにハイになる。
台無しにしたらどうしようと不安なのである。
ところで、外食の鮑には許せないところがある。
それは鮑というだけで高いことがあるからだ。
味も質も大したこと無いのに、それが鮑であるということだけで
高い値段を付けられているような、そんな風に感じたことがある。
小さい鮑を向こうが透けてしまいそうにスライスして鮑の握りで
ござい。勘弁してくれ!!
ところで僕は握りに生の鮑は合わないと思う。
寿司にするなら蒸し鮑だろう。「蒸し」と言っても、実は炊いて
いる場合もあるそうなのだが、なんにせよ寿司の鮑は蒸しに限る。
寿司屋の鮑といえば、我々夫婦の好きな新橋駅の駅ビルの寿司屋の
塩蒸しは惜しげもなくごろんごろんと出てくるので好きだ。
ちょっと蒸し直して温めて出てくるのもいい。

とにかく、家で料理するにしても、アワビは安くはない。
その値段にハイになる。

次に、活きてることにハイになる。
死んだ鮑は値打ちがない。だから活きたまま料理せなならん。
ステーキにするには活きたまま殻から外さなくてはならぬ。
もがく鮑を押さえ込んで。ぷぎゃぁぁ~
ちょっと精神力が必要だ。
外したら外したでスプラッターの世界。
ぐねぐね粘液まみれの臓物をかきわけ腑分けせなならん。

思えば、貝というのは家庭料理の食材としては特殊な位置に
あると思われる。
アサリもシジミもハマグリも鮑も、活きてる貝でないとダメだ。
ということは、家庭料理では希なことに、調理者自身が自ら手を
下さねばならないという点において、特殊な地位にあるといえる。
正に他の生物を殺して食っているのだということを実感するのだ。

とにかく、ハイにならざるを得ない。鬱では料理できん。

最後に、その味を想像してハイになる。
どうして鮑ってあんなに美味いのだろうか?
反則ですな、反則。
あわびの食い方には色々あるが、
僕も妻も生で食うよりは加熱調理したものが好きだ。

だいたい、鮑に限らず刺身に高い金を払うのはあほらしく思う。
日本料理の世界では「割主烹従」とかいう言葉もあるようだが、
僕は料理屋の値打ちは煮炊きものにあると思う。
何故なら、刺身が美味くても、それは要するに当該サカナが
美味いから刺身も美味いので、よくグルメ漫画にあるように
包丁の上手下手が作用する度合いは、煮炊きの上手下手が
作用する度合いより低いと思うのである。
それに刺身は、調味を客に委ねているという点でも、店の味
とは言い難い。
やはり、その料理屋の値打ちを決めるのは、煮加減、味加減を
全て決定した上で客に出される煮炊きものだと思うのである。
ここで「煮炊きもの」に「椀もの」を含めるのは当然である。

さて、鮑はさっと焼いたステーキも美味いし、じっくり蒸し
上げたのも美味い。いっぺん、大阪のなじみの割烹で
「大船煮」というのが出てきたが、炊いたのも美味い。
だが、所謂「残酷焼き」「踊り焼き」は好きではない。
のたうちまわる鮑がかわいそうとか、そういうのではなく、
味噌も糞も一緒に焼いてしまうのが嫌なのである。殻から外
したときの臓物まわりのぬるぬるにちゃにちゃが嫌なのだ。
まぁ、気分の問題はかなり影響する。

とにかく、鮑は美味い。その美味さ故にハイになる。

そんな鮑を家でステーキにして食った。
(以下、「実践編」に続く)

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