賀茂茄子の揚げだし 吉野餡

今回は15日に当地に戻ってきた。
帰る前に立ち寄った錦では、やはり魚屋の多くは休んでいて
鱧を買うことが出来なかったのが残念である。
牡丹鱧が作りたかった・・・

だが、八百屋で賀茂茄子を買うことが出来た。

kamonasu.jpg

賀茂茄子は美味いが、茄子としては別格の値段である。
買ってきたのは2つで800円もする。
だが、錦だからむやみに高いということではない。
あの緻密な肉質・・・火を通すとねっとりとして、
そこはかとなく甘みが・・・ちょっと他にはない。

今回は揚げ出しにして吉野餡をかけた。

kamonasu_agedashi.jpg

作り方
作例・レシピはネットに多数ある。
僕のとった方法は次のようである。

下拵え編

1. 賀茂茄子の下処理にも色々あるようだ。
皮を剥く/剥かない、水にさらす/さらさない、等。
僕は皮を剥いて小割りにして、直ちに揚げるので、
水にはさらさない。

2. 盛りつけにちょっと色気を出して緑のものを添えるべく、
伏見甘長を用意した。

伏見は適当な長さに切りそろえ、開かずに筒状のまま、
金串を用いて種を抜く。この方が盛りつけたときに形が決まる。
素揚げにするので、金串でつついて皮に穴を細かく開けておくこと。
そうすれば皮がはぜて油がはねることはない。

3. 昆布と鰹節で基本の出汁を取る。

4.葛粉を水に溶いておく。

片栗粉ではなく葛粉にするべきである。餡の風味も食感も違う。
そもそも葛粉は吉野の特産であるから「吉野餡」というのである。
故にジャガイモ澱粉を使ったものを「吉野」餡というべきではない。
また、安価な葛粉にはサツマイモ等の別種の澱粉が混ぜられている
こともあるそうであるから、注意が必要である。
今回、我が家の手持ちが少なくなっていたので、
奈良の『井上天極堂』で1kg入りを買っておいた。



葛湯、葛切り、使い道は色々ある。

本調理編

1. 賀茂茄子のへたを取り皮を剥き、小割りにして油で素揚げにする。

この料理は油の香りがかなり重要である。だって茄子が油を吸うし。
故に未使用の油を用いるべきである。
今回は九鬼というメーカーの太白胡麻油を使った。

taihakugoma.jpg

高い油なのだが、こういう料理の時に!と思って買っておいた。
今使わなくて何時使うというのか!!??

2. 揚げ具合を見ながら吉野餡を準備する。

出汁を火にかけ、塩と淡口醤油と、おまじない程度の味醂で加減する。
これは夏の料理であるから、塩を主体として淡口醤油でさらりと
仕上げるのが適合的だと思われる。
葛でとろみをつけるので、ちゃんと味も絡む。

とはいえ、食べる人、食べてくれる人の好みが最優先である。
そう。これは家庭料理なのだから。

3. 茄子が揚がろうとする時に伏見を入れてさっと揚げ、
取り出して油を切る。
直ちに加減済みの出汁に葛を溶き入れて吉野餡を仕上げる。
直ちに盛りつけて、吉野餡をかける。

最後にてっぺんに針生姜やすり下ろした生姜をのせるのが
教科書的かもしれないが、そこは一考を要する。
僕の妻はこのような料理には生姜を好まない。
写真を見ているとvisual的にもちとさみしい気もするが、
これは家庭料理であるから、食べる者の好みが最優先される。

追記
熱々も美味いが冷やしたのも美味い。
素揚げした後で十分に冷やして器に盛り、冷やした吉野餡をかける。
本体と吉野餡は別々に冷やして、最後に合わせる。

感想

太白胡麻油には強い胡麻の風味はない。だがやはり胡麻油であって、
控えめな胡麻の風味が好ましいニュアンスを与えてくれた。
個人的には成功だと思う。
もし、これを普通の茶色い胡麻油にすると、風味が強すぎるだろう。

せやかて、なんちゅう~ても賀茂茄子も太白胡麻油も高いしなぁ。
もしこれを外で食べたらなんぼとられるんやろ?
外食では材料費の3倍が売値の目安らしいから、
なんやかんやで3000円くらいか!??

量がたっぷり食えるのも家庭の魅力やしな。
こういう料理もどんどん家で作ったらええと思う。
そうしたら、外食でも楽しみが色々増えるしな。

以上
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ジャンル : グルメ

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非公開コメント

拝見させていただきました。

「割烹 政」様 
(ブログタイトル変更大賛成です。そうこなくっちゃ!!)

お帰りなさい、更新記事 隅まで拝見いたしました。うなぎの消費量の話は、面白かったです。
拝観料無料の国宝(笑)のお写真 『なら燈花会』の夜のお写真 
>>キャンドルを だぁぁぁぁぁぁぁぁぁ~っ と(爆笑)
それにバンビちゃんは、また一味違がった味をブログに添えます。(コレがたまらんです)

さて、>>家庭料理に関する考え、

じっくりと読まさせていただきました。
やはり私の思った主人像です。まさしく「割烹 政」のプロフィールです。

これからも時間の許す限りじっくりとお邪魔します。

ご馳走様でした。

お帰りなさい^^

お帰りなさい^^/

加茂なすってそんなに高いの!
ということは、とろりととろけるよな甘みがつよいのでしょうか?^^/
近所のスーパーそんなに高くなかったような。
それに、このごま油や葛粉など、なんとも美味しそう!
特に、このごま油!ほしい!
程よいごまの香りが鼻を抜けるところが味わい深い気がする^^/
全体の仕上がりもつややかで食欲を誘う一品ですね^^/
こういったこだわりって大事ですよね^^/
オレも見習いたいな。

また遊びにきますね^^/

>ごっとハンド 様
いや、ほんと。
この世知辛い御時世に無料拝観できるというのは凄いことです。
東大寺は二月堂の舞台も無料です。内部は非公開ですが。
お水取りで連行の僧らが昇る階段を上り、火の粉舞い散る舞台から
奈良の家並みから生駒の山を眺めてもタダなのですなぁ。
(大仏殿と三月堂は有料ですが。)

家庭料理に関しては、まぁ、思うところを偽ること無く書いて
います。家庭料理は、そもそもが個性的なもののはずで、色んな
主張があるのが当然。
というわけで、僕は昨今のお手軽・簡単・簡略・省略という向きは
嫌いです。

とまれ、これからもよろしく。


>たか様
再訪有り難うございます。

賀茂茄子といっても今では京都の上賀茂地区で作られているとは限らず、
上賀茂地区産の賀茂茄子は元祖正真正銘の賀茂茄子として、高値がつくと
いうこともあるでしょう。
つまり、産地や生産者といった色んな要因が価格に反映されるのですね。
時には「これほんまに賀茂茄子か?」ちゅうのも見かけます。

九鬼の太白胡麻油はいいです。
瓶入りの小さなものは、デパ地下やちょっとこだわっている食料品店や
スーパーで割と見かけますが、写真のポリ容器(1650g)は見かけません。
当地でも偶々見かけたのを買ったのでした。1600円位です。
封を開けてしまったので、後は使いまくるだけです。
憧れの「太白胡麻油で天ぷら」も出来ます。わくわくします。

又コメントをください。

高級!!

帰省されて、のんびり出来ましたでしょうか?
先週、お店の‘おすすめメニュー’に賀茂茄子がありました。‘おすすめミュー’と言うより、板長(彼)の‘気まぐれメニュー’と言った方が適切かもしれません。
政さんのお料理は、調味料などにも凝ってて、ものすごく勉強になります。
葛粉の知識、太白胡麻油と、どうしても家計を気にしてしまう主婦とは違い、調味料からこだわるところが、男の料理を感じます。
実りの秋がやってきます。これからも楽しみにしてます♪

男の料理

>さとぴぃ様
やはり故郷はいいもんです。
でも、僕の実家のあるところは、関西学術文化研究都市として開発が
進んでいる地域でして、帰る度にどんどん新しく変わっています。
若い頃なら大喜びしたかもしれませんが、ある程度年を取りますと、
故郷にはあまり変わって欲しくないと思うようです。

さて、料理に関して僕はあまりこだわってるつもりはないのですが、
基礎調味料(塩、醤油、味醂、昆布、鰹節etc・・・)には、出来るだけ
いいものを使いたいと思っています。
まぁ、僕も主夫の端くれですから、上手くやりくりして美味いものを
出すように心がけています。食の基本は家庭ですし、家で食うもんが
美味いことがシアワセだと思いますので。

しっかし、今回の「太白胡麻油」には惚れました。やばいです。

どうぞよろしく

カウンターが今までにない異常なまわり方をしているので調べてみたら、
この料理が『レシピブログ』のトップページで紹介されていたのですね。

『レシピブログ』からお越しの皆様、どうぞお見知りおきを。
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