素人の素人による素人のためのハモ料理講座2:骨切り編

二.1. ハモを開く 

水洗し、ハラワタを除いたハモは、次に開くことになる。 

ところで、「鱧は生命力の強い魚で・・・」等と説明されることがよくある。
まぁ、生命力が強いといっても、 
細胞レベルで死にきってはいないということに過ぎないのだが。
以前、魚屋で締めてもらって買って帰り、
捌いてから落とした生首に指を噛まれたことがある。
爪に穴が開いて血が出た。
今回の鱧もなかなか反応がよく、
買って締めて開いて冷蔵庫から出してもピクピクと動いてくれた。
その様子をアニメGIF(250KB) にしたので、
ご希望の方はご覧になってください。

(ここをクリック)

さて、ハモは長いので、
鰻や穴子に準じて目釘を打って開く流儀もあるようだが、
他方では、
特に目釘を打って固定することをせずに開く流儀もあるようだ。
僕は目釘は用いず、普通の魚の如く開く。

先ずは背びれを抜かねばならないのだが、これが案外難しい。
尻尾の方にちょっと切れ目を入れて、それをとっかかりにして
一気に「びぃ~」と引っ張って取れるはずなのだが、
なかなか上手くいかない。
上手く一気に抜けていくときの感触は快感なのだが・・・
そこで予め、背びれの付け根の両側に包丁で浅く切り込みを
入れておく方法に至った。

hamo_honekiri_04.jpg

この方法だと、簡単に外せるのだが、
切り込みが深いと開いたときに上身が分断されてしまい、
「ぼたん鱧」等の料理に用いるには支障がある。

今回の鱧は大物なので、
最初から三枚におろすつもりで開くことにした。

hamo_honekiri_05.jpg

身の幅が狭い方が、
骨切りは正確で容易に出来るからである。
2. 骨切り

(一) 序

いよいよハモ料理のハイライトである「骨切り」を行う。

断言するが、鱧の骨切りは「プロの領域であり、
神聖にして犯すべからず」
などということはない。
よくTVのグルメ番組なんかでは「家庭では出来ない」とか
言いたがるが、
「へ???ぼくはやってるでぇ~じゅうぶんにくえてるでぇ~」
である。
はっきり言って、本職でも下手糞な骨切りしか出来ない者はいる。 
プロといってもレベルは色々である。
客にしてみれば、駆け出しの若手もベテランも関係ない。
カネを払う値打ちのある仕事をしてくれ。
素人に「なんやこれ??下手な骨切りやなぁ~」などと
言われないように精進してもらわねば困る。
そうでなければカネを払う値打ちがない。

他方、素人が家庭で行う骨切りは気楽なものだ。
スピードも正確さも要求されない。
骨切りの音のテンポの良さ、立ち姿の凛々しさも要らない。
要するに骨を気にせず食えるようにするだけでいいのだ。

(二) 包丁

骨切りに使う包丁だが、専門の骨切り包丁は持っていない。
「男の料理は形から入る。故に道具にこだわる」という向きには、
どうぞご随意に。
(いや、ほんまは僕かて骨切り包丁欲しいんやけど、
そんなん、年に何本もするもんやないし、よぉ買わんわ。)
鱧の骨切りは「押し切り」で行う。
だから、刺身包丁は長すぎるので不都合だ。
出刃包丁は刃が分厚すぎる。ペティナイフは短すぎる。
なんやかんやで、僕は「薄刃」という野菜用の包丁を使っている。

hamo_houcho.jpg

でも、普通の西洋包丁、万能包丁でも出来るでしょう。
尚、刃を研いでおくのは当然である。

(三) セッティング

まな板は一度湿らせてから、乾いた布巾でよく拭く。
鱧の皮を包丁でよくしごいて表面のぬめりを落とす。
まな板の手前際々の所に鱧を横真一文字にぴったりと据える。

(四) 本論

しばしば「一寸に二十何回包丁を入れる」などと言われるが、
そんなに細かく入れなくても、実は食える。案外食える。
2mm位ならばあんまり気にせず食える。
関西のスーパーでは、
骨切り済のハモがパックで安く売られているが、
その骨切りは非常に荒い。
あれは東シナ海等で獲れる大きいのを機械で骨切りしている
そうであるが、あの程度の骨切りでも食えるのである。

骨切りにおいて重要なのは、実は「切り込みの細かさ」ではない。
「完全に骨を断ち切っている」ことが重要なのである。
ハモの骨の先端は2つに割れていて、それが皮に食い込んでいる。
だから皮が切れていないことが重要なのではない。
寧ろ皮が切れている方がマシなのである。
そしてこれこそが「素人が家庭で行う骨切り」の
最重要ポイントである。
重要なのは
「皮が切れてもいいので、皮が切れる程度にまで切り込む」
ことである。
切り口を押し広げてみて、皮の裏面が見えていればOKだ。
この点、
名人は皮の厚みの半分くらいまで切り込んでいるように思われる。

下手くそな骨切りとは、皮を切らないことに気が回りすぎて、
皮に達する前に切り込みを止めてしまうことによって発生する。
TVのグルメ番組では、「皮を切らずに骨だけ断ち切る」ことが、
素人には出来そうにもない名人芸のように言いたがる向きがあるが、
実は「皮を切らない」ことに大した困難はない。
ハモの皮は固い。ちょっと包丁が当たった位では切れはしない。

hamo_honekiri_06.jpg


骨切りは「押し切り」で行うのだが、
骨を断ち皮に刃が到達した時点で包丁のストロークを停止させれば、
骨は切れても皮は切れない。
ただ、ストロークを短くしすぎると、今度は身を押し潰し気味になる。
故に包丁を手前から向こうに押しやるスピードと、
上から下へ切り込んでいくスピードの調整が必要となる。

まとめると、次のようになる。

1. 手前から向こうに「押し切り」で行う。
2. 切り込みの幅は 2mm~3mm でも結構食える。
3. 皮に刃が到達したら包丁を止めるつもりで行う。
4. 皮を切ってもいいから、皮が切れる程度にまで切り込む。

hamo_honekiri_06(2).jpg

この点、プロはいちいち包丁を止めていたら仕事が遅くて話にならん
だろうが、家庭ではこれで十分だ。更なる向上は各自の望み次第。

「骨切り編」以上



関連記事
スポンサーサイト

テーマ : お魚料理
ジャンル : グルメ

コメントの投稿

非公開コメント

家庭で鱧料理!?

家庭で鱧なんて食べないっす!
関西のスーパーには、鱧が当たり前のように売っているそうですが、
関東は、見たことない・・・って最近スーパーいつ行った!?
あ、この間の土曜日に築地へ行ったとき、「鱧見たい」と彼に行って、鱧を見ました、もちろん横になってますぅ。
彼の店でも20年前くらいは、鱧メニューがあったそうですが、もうやらないのかなぁ?
築地は、楽しいです、鱗や目の輝き、図鑑ではわかりませんからね。
エビの尻尾って、七色に光って、すっごくきれいなんですよね。
ダイヤだのルビーだのの宝石より、魚の方がとっても輝いててきれいで見ていて飽きません、うっとり!!
また、行きたくなりましたか‘築地’!?
政さんは、‘主夫’となってますがカリスマ‘主夫’・・・て訳のわからないこと言っててごめんなさい。

>さとぴぃ様
やはりハモは関西のものなんですねぇ。
質は色々あれど、小さな町のスーパーにも普通にあったりします。
夏のモノのように思われがちですが、実は1年中あります。
築地にはありますか。さすがです。見に行きたいです。

「カリスマ主婦」って聞きますが、「主夫」はないようですなぁ。「主夫」自体がようやく社会的に認知されだしたレベルでしょうか?
プロフィール

政

Author:政
アラフィフ主夫

最近のコメント
一応参加中


カレンダー
05 | 2017/06 | 07
- - - - 1 2 3
4 5 6 7 8 9 10
11 12 13 14 15 16 17
18 19 20 21 22 23 24
25 26 27 28 29 30 -
最近の記事
カテゴリー
月別アーカイブ
最近のトラックバック
ブログ内検索
RSSフィード
リンク